画家が日本情動学会へ発表するまでの経緯

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2019年、12月14日、15日、【対話できる絵画】の一つのオーダー例を取り上げ、
日本情動学会のポスター発表をしました。

発表のきっかけは、2018年の日本生理学会で広島大学の浦川先生と出会った時。
「門間さんのオーダー絵画のプロセスは、医師からみて治療である」
「絵と言葉という異なる領域を行き来する高度な技術である」
といわれたことでした。

医師からみたら治療?高度な技術??

と驚いたのですが、
周囲の生理学の専門家が、その言葉にうなづいているのを見て、
それはなぜなのか、明らかにしたくなりました。

明らかにできれば、オーダーがより進化深化して、より良き貢献につながるとも感じました。

すると、浦川先生から「日本情動学会が手がかりになるかもしれない」といわれました。
ならば、行ってみるしかありません!
その年の12月の日本情動学会に足を運びました。
学会の空気を味わう中で、、、
「オーダーを題材とした学会でのポスター発表」というアイデアが、思い浮かびました。

そして、今年一月、
東京の勉強会でお世話になっている、浦川先生と懇意の辻井先生に相談したところ、
「それはいい、ぜひチャレンジしなさい。
勉強会の合間にポスター作成のバックアップをするので、
ぜひ、浦川先生に指導教授を頼んでみなさい」
と力強い言葉をいただきました。

そして、辻井先生のご指導のもと、1月2月でまず発表案の叩きをつくり、
3月に神戸で浦川先生にみていただきました。
発表案はその場であえなく粉砕!でしたが、
「指導教授を引き受ける」と快諾いただき、
論文軸で最も大事なことは何か、から、新たな案の原型まで。
その場で1時間以上ご指導いただきました。

原型を、東京の辻井先生へ持ち帰り、
一月から毎月のディスカッションが始まりました。

学会で発表するには、オーダーの流れを
学術作法に変換する必要があるのはわかっていました。

が、、、、、
さて、切り口は何にするか。
その切り口に沿ってどう発表するのか。

原案への
辻井先生の科学的な視点と私の芸術的な視点は
毎月毎月平行線をたどり、交わらず。

資料が積み重ねられていきました。

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勉強会仲間の皆さまに随分助け舟をいただきました。
まとまらないまま、広島にいる浦川先生に毎月メール報告してご指導もいただき。

切り口がまとまってきたのが、8月頃でした。

ようやく、ポスターの内容を精査できるようになり、
同時に、論拠となる論文探し開始。

それらの作業は仕事の合間を縫ってずっと続き。
ポスター印刷を外注したのは、12月12日。
印刷完成は13日。発表の前日でした。

研究者でない、画家。
その私が学会で発表するのは、大きなチャレンジでした。

毎月東京の勉強会でご指導いただいた辻井洋一郎先生、
指導教授として繰り返しメールでのご指導をいただいた広島大学の浦川 将先生、
そして、オーダーを発表題材にすることに快くご協力いただいたご依頼主に
深くお礼申し上げます。

また、勉強会のメンバーはじめ、
たくさんの方のご協力に深く感謝申し上げます。

どうもありがとうございました!

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指導教授 広島大学の浦川将教授と。
そして、協力してくれた方々と。

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発表は、
制作過程で依頼主との複数回の話し合いと下絵の提示のプロセスを経て、心が移り変わることに着目。
一つのオーダーを例に、話し合いで移り変わっていく心と絵のプロセスを、初めから最後まで紹介。

依頼主の生きる原動力となる無意識下のコンセプトが
徐々に顕在化していくと共に、
それを具現化された絵ができ上がるプロセスを明示することが出来ました。

共感と安心を共有して、一体になっていくような感性コミュニケーションを大事にしていること。
絵と言葉の断片的なキャッチボールから絵画に統合されること。
断片的な依頼主の色彩を分析し、画家の私が色の原理を応用して表現することで、依頼者は自分自身と向き合う客観的な判断材料を引き出すことができること。
このプロセスを踏んだ絵画は、絵を楽しむことが「自己アイデンティティを形成し、過去と現在の自分をつなぐ」こと。

あらためて考察できました。

その中で、当初の疑問が明らかになっていき、それと並行して、
今進行中のオーダープロセスも進化深化していきました。
そのことも仕事の合間を縫って取り組み続ける強い支えになりました。

だから来年も、ポスター発表に取り組み、
制作の傍ら絵の学術的根拠も積み上げていきたいと思っています。

そして何より、今後も一人一人が根源的な視点で自分と向き合い、社会と向き合う一助となるオーダー絵画を制作して参ります。

長くなりましたが、深い深い感謝を込めて。