未来を先取りできる、自分だけのシンボルを手に入れよう


津田さま完成

「門間さんに会いに、沖縄から来ました」
東京にあるホテルのラウンジで会った時、Rさんのキラキラした大きな瞳に、
強い意思を感じました。

「何を描いて欲しいか、わからないのです。でも、門間さんに描いてほしいのです」

 

「わからないのに依頼するの?」と以前だったら驚いたものです。

でも、十年以上オーダーを描いてきて、今では来る人の8割以上が「欲しいものがわからないけれど、オーダーしたい」と訪れます。

そして、プロセスの中で「私はこれがほしかったのだ!」と自分の絵を見つけます。
だからこの時も「わかりました。一緒に探していきましょう」と笑顔で答えました。


Rさんの絵を見つける糸口は、何気ない言葉にありました。
「私、男勝りでしょう?だから、受け取り下手だなぁ、と思うことが結構あって‥‥。今日みたいに男性的にパッと決断して行動するのは得意だけど、女性的な受けとる力にとっても憧れるのです。」と顔を曇らせたとき。

体全体から気持ちが滲み出ました。

だから、女性的なRさんを象徴的に表現したらいい、と、ひらめきました。
男性的な面も女性的な面も自由に発揮できる姿。

未来を先取りするシンボルを描き出すのです。


シンボルは、概念をイメージさせる形です。
例えば、よく知られた例は、<キリストを示すシンボルの十字架>です。単なるマークではなく、たくさんの情報を色形で表した世界観です。

だから「憧れの自分をシンボルに託して描き出しませんか?」と聞くと、
Rさんが笑顔になりました。
「凛とした大輪の花が自分のシンボルだったら、どんなにか素敵でしょう!」
それは、欲しい絵が見つかった瞬間でした。

その後、「お会いして以来、時間の流れが変わったような気がしています。教えて頂いた『中庸』を読み始めました。また、アドバイス通りメモを書いてみて、さらに何か動いています」

アドバイスとは、与えたことと受け取ったことを毎日書きだすワークです。単純に書くだけですが、普段言葉にしないことを書くと、自分を再発見する強烈なツールになります。

そうして自分に対する再発見を繰り返すと、イメージが降りてくる時があります。

「門間さん!ピンクでお花を背負ったドラゴンちゃんのイメージが何故か浮かんできました‥‥」
戸惑いをまとったメールでした。

普通は戸惑うかもしれません。


でも、ビジョンクリエイターの私は、なぜか浮かんでくるイメージを拾い上げることが重要なのを体感しています。

「花を背負っている龍は、きっと、Rさんが花開いていくのを後押しするシンボルに違いありません。だから、絵に龍を描き加えますね。Rさんは、心の中で龍とたくさん遊んでくださいね」

すると、Rさんは、「理由を考えなくても、イメージを大切に受け取ればいいんですね!」と喜びました。そうして龍のイメージから、豊かな発想をたくさん得たそうです。

その後、「門間さん‥‥!龍から『自分は抽象的なエネルギーとして絵にあればいい』と言われました!!」とRさんからメールが届きました。

シンボルは、時に、不思議な働きをします。この時、ああ、龍が一定の役割を終えたと直観しました。「それは、大輪の花のあなたが独りで凛と立てますよ、という龍のメッセージです。だから、絵の龍も抽象的な光として描き変えますね」

そうして、龍のエネルギーに包まれた大輪の花の絵が完成しました。

そして、月日が経ったある日。「クリスマスイブに主人から作品と似ている花を見つけた、と贈られました。その時、花の女性らしい美しさと自分が結びついて『素直に受け取っている』自分が嬉しかったです」と、写真を添えたメールが届きました。

 

飾った2017-12加工

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