この作品の始まりは、7年前。
今でも、経験したことのないような、幕開けでした。
「あのね、叱り飛ばしてくれる龍が欲しいのです」
迫力満点に叱ってほしい、というのです。
その言葉に最初、耳を疑いました。
「日常に流されてしまう時に、
「そっちじゃないだろう!」と叱り飛ばしてくれる龍がいいのです」
話をさらに聞くと、
「今、経営者に頼られて相談に乗るのがメインだけれども、
日々勉強する中で、本当は、執筆や講演をやりたいことに気がつきました。
だから、今の延長に流されがちな自分を叱り飛ばしたいのです。
本当の心の声に耳を傾けて、
自分の世界観を創っていく50代にしたいから」
と打ち明けてくれました。
その後、アトリエで構想を練っていると、
上昇気流を表す白が浮かんできました。
滝にも、風にも、感じられるような勢いある白。
空高く飛び回る龍の壮大さにぴったりです。
そうして、下絵が完成し、本画にうつります。
本画は、絵具を何度も描き重ねて、形が浮かび上がってくるように描きます。
さらに、絵具を幾重にも重ね、拭いたり削ったりします。
色が響き合って、ピタッとおさまるところまで描きます。
龍を描くときは、描いているうちに、
「まるで勝手に生き物として息づき始めた!」
と感じるまで描き重ねていきます。
そうして、数ヶ月後、どこまでも駆け上る青龍が完成しました。
Sさんにお届けすると、
「予想以上のパワーに圧倒されます。
絵を頼むまで、
個展イベントで門間さんの絵を数年間見てきたけれど、
1、2を争うパワーだと確信しています」
と、嬉しそうに言いました。
次に、驚くことを聞かせてくれました。
「実は途中経過の画像を見ただけでも、
変化が起きていました。
すでに依頼した頃より
いろいろ気にせず仕事ができるようになってきました」
Sさんは、途中経過の画像からすでに、
自分への叱咤激励をはじめていました。
「だから、完成が楽しみで、たのしみで‥‥しかたがなかったです」
と、穏やかに微笑みました。
そして、ユーモアたっぷりに、
「とにかくパワーがすごいから、
一緒に寝られなそう。
いや、寝ないけどね(笑)
書斎に飾って、
「ガンガン仕事しろ」と、
仕事が捗るように活躍してもらいます」
と言いました!
そして、数年経った後、
「あれから青龍に叱り飛ばされながら、
自分を見失わないよう歩んできました。
そのおかげで、
あの時理想にしていた執筆や講演の仕事が、
メインになりました」
とにっこり報告してくれました。
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