普通、額装の目的は、大きく分けると2つです。
・絵を綺麗に飾るため
・絵を保護するため
私が目指す額装コーディネートは、あと2つ目的があります。
・絵の世界観をより豊かにするため
・オーダー絵画の依頼主の生き方そのものを反映させる額装を創るため
です。
銀座イトウヤさんで、数百種類の額装サンプル等から、微細な額装コーディネートを作り上げていきます。
額とマットと組み合わせだと、1000種類を超えるでしょう。
無数の種類から、その人の世界観に合ったコーディネートを創りあげていきます。
銀座イトウヤとは、12年以上のおつきあいになります。額装コーディネートの最初の頃は、不審な目で見られたものです。普通は数個の額サンプルを選ぶのに対し、私は妥協ない額を求めてサンプルを山のように選んでしまいます。
さらに、私の額装コーディネートの目的は、「クライアントの世界観を実現する」ためなので、メーカーの違う額装を組み合わせようとします。「それは普通しないのですが‥‥」と困惑されることもありました。
でも、仕上がると「初めての組み合わせですが、これはいいですね!」と、取り組みに興味を持ってくれるようになり、「普段と違うコーディネートが楽しみです!」と変わっていきました。
絵に合うだけでなく、その人の想いを額装にのせるために妥協を許さない。という背景が、度重なる額装によって、だんだんと理解されていったのです。
繊細な絵に、繊細な額装を。
その方だけの、微細で優しい世界。
わかる人には、わかる。
わからない人には、伝わらない。それくらい、微細な世界観です。
身体を調整、治療するお仕事をしている方のオーダー絵画。
作品を描かせていただき、一体どれほど繊細な治療をしているのだろうか、と驚嘆しました。実際、この方の施術だと、安心しきってすやすや寝てしまう人が9割だそうです。
これほど繊細な方の感性なので、
「ありきたりの絵では自分にぴったりこない」と、オーダー。
そして、「既存の額では、この絵にぴったりこない」と、額装コーディネートを依頼されました。
美容室に飾る繊細な絵と額装