オーダー絵画に脳科学が加わるきっかけ「血流が一番大事」というひとこと

それは、2016年のころ、脳科学とはかけ離れた場所での出会いでした。タレントで実業家のSさんを囲む、パーティ。出席者は100人以上!主催者に誘われた時、「きっと華やかな席だから、場違いなのでは?」と思いました。タレントも混じった異空間にちがいない。行ったら自分は浮いてしまうだろう‥‥、でも、こんな機会、滅多にあるものじゃないから、行ってみよう、と決めました。

まさかそこで、「自分の頭で考えることの重要さ」を語りあうなんて、逆立ちしても想像できません。しかも、2018年にノーベル医学・生理学賞を受賞した本庶佑・京大名誉教授が「(科学誌の)ネイチャーやサイエンスに出ているものの9割は嘘で、10年経ったら残って1割」と自分の目で確かめることの大切さをメディアに語る2年前。同じことをT先生に聞いたのです。
そして、この出会いがオーダー絵画に脳科学的な視点が入るきっかけになりました。

予想通り、パーティはタレントのSさんを囲んでタレント達が話す華やかなものでした。周りを囲む人たちと名刺交換をすると、芸能関係の仕事の人で溢れているのがわかりました。私にとって今まで接したことがない人たちです。話してみると面白い反面、「やっぱり別世界で、接点がないな」と、感じました。

興味関心に接点がない、相手の問題や困りごとが解決できない、という人たちとは、名刺交換をしてもその後に続くものがありません。タレントの周りに集まっていた人たちは、私との接点があまりない人たちでした。

100人規模の会ですから、離れたところにも、10人単位の集団がそこここにありましたので、いくつか加わってみました。でも、なんだかピンときません。こんな時は、視点を変えると良い出会いがあるものです。席に戻って食事を取ることにしました。

知人のKさんが初老の男性と座っていた席です。男性と席で名刺交換すると、医学博士でリハビリテーションのプロだとわかりました。それこそ縁がなさそうですが、このT先生に、とんでもなく深い縁をいただくことになるので、人生はわからないものです。

食事しながら話し始めてT先生が「治療は血流が一番大事だと思っている」と言ったのがきっかけでした。私は腰を悪くした時期があり、ツボや有酸素運動や瞑想など、ありとあらゆることを何年も試して同じ結論になっていたからです。「素人ですが、私も血流が一番だと考えています」すると、距離が一気に縮まりました。「経験から答えを導き、行動することは、素人であろうと玄人であろうと大事なことだ。また、それはどんな分野でも共通して言える」というのです。

本庶教授が「研究に対する姿勢は好奇心と『簡単に信じないこと』が重要だ」と言ったように、自分の専門分野において、何事も自分の目で確かめることが大切なのだ、というT先生の姿勢が伝わってきました。そして、それは【感じて表現すること】を大切にする私が心掛けてきた生き方でした。

いつの間にか、パーティそっちのけで、2人で熱く語っていました。分野も歳も違うけど、一人ひとりのクライアントに対して現場から答えを導き出す考え方は、全く同じ。話せば話すほど面白くなってきます。パーティが終わる時、治療院に遊びに行く約束をしました。

すると、後日会ったときには、パーティの延長のように‥‥、3時間、ディスカッションしました。そして、2人とも脳科学に興味を持ち始めていることがわかり、T先生の主導で脳科学の本を1ヶ月に一回読み合わせする勉強会を始めることになります。

なぜ、脳科学の本の読み合わせをすることになったか?を話すと別物語になってしまうのでまたの機会に書きます。

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