「なんか、めちゃくちゃ幸せ。
愛されているから大丈夫って思える空気を表したいですね。
解放されて、自由だって。
人が安心安全と感じられる場を作りたい、
私なりの安心で安全なイメージが伝わる絵が、ほしいです」
Yさんが優しい笑顔でいいました。
完成作品は、淡いピンクがメインの絵になりましたが、最初は光を感じるイエローの絵から始まりました。最初はピンク色がどこにもありません。
以前の記事で完成作品の画像が見ると、色の違いがよくわかると思います。
なぜ、こんなに変わるのか?と思うかもしれませんが、特殊なオーダーメイド【対話できる絵画】では、よくある変化です。
セッションをしていく間に、「ほしい絵は最初と違うのだ」と気づいていくのです。
さらに詳しく聞く中での深い個人的な大切な体験と、
薬剤師として人を治し、癒してきた想いが伝わってきました。
Yさんの言葉から、安心安全が、ビジネスと医療の両方で注目されていることを思い出しました。自分のサロンを持ち、安心安全な場を提供できたら、という想いは、時代にマッチしています。
医学の世界では、心理的安全が大切だと捉える「ポリヴェーガル理論」の本が出版されています。
ビジネスでは、「プロジェクトアリストテレス」で、心理的安全が脚光を浴びました。
Googleが行った生産性が高いチームの共通点を発見するためのプロジェクトということで、あらゆる業界の企業から注目を浴びました。
「プロジェクトアリストテレス」という名前は、古代ギリシャの哲学者・アリストテレスの言葉、「全体は部分の総和に勝る」から来ています。
心理的安全性(Psychological safety)、信頼性(Dependability)、構造と明瞭さ(Structure & clarity)、仕事の意味(Meaning of work)、インパクト(Impact of work)の5つが、生産性向上の柱だとしています。
心理的安全性とは、他人の反応を気にしたり、自分の発言を恥ずかしいと感じたりすることなく、ありのままの自分で過ごせるような環境のことを指します。チームのメンバーに対し「無知」「無礼」などのネガティブな印象を与えるような行動をしてしまった場合でも、メンタル的に問題ないと感じられるのが大切です。自分の過ちを素直に認めたり、気軽に質問をしたり、積極的にアイデアを提案したりできるということです。
ビジネスだけでなく、夫婦、友人、子供との関係性も、安全や安心を感じる場を大切にすることで、お互いを生かす人間関係が育まれます。
「Yさんのように、いろんな分野の人が、「何だかホッとするな」「落ち着くな」と思える場を作ることは、 今の時代から考えても、大きな意味がありますね」と伝えると、嬉しそうにニコニコしました。
構想画を見ながらセッションいくうちに、「若いとき、そういえば‥‥、その後の人生を左右するくらい特別な体験をしました」と詳しく教えてくれました。
その体験の中に、ピンク色のイメージがありました。Yさんが、最初に絵を依頼した時には、思いつかなかった色です。でも、話したYさんも、話を聞いた私も、
「なんか、めちゃくちゃ幸せ。
解放されて自由だ、
愛されているから大丈夫って思える空気を表した絵」
Yさんの安心で安全なイメージが伝わる絵は、黄色ではなく、ピンクだとわかりました。
それくらいインパクトがある体験だったのです。でも、絵を頼もうとする時には、思い浮かばなかった体験だったのです。
いつもビジョンをクリエイトする、ビジョンクリエイターの役割を意識しながらセッションをするので、サロンにつながる大切な動機と、絵にピンク色が必要だとつかめたことで、作品の完成に大きく近づいたのがわかりました。
ここから、2枚の下絵が生まれてくるのですが、
それはまた別の物語です。