人は、言葉にできることだけで生きているわけではありません。

門間由佳は幼い頃から、身体感覚を伴う制作に親しみ、長い時間をかけて、判断の前にある感覚や、まだ整理されていない気配を見つめる見方を育ててきました。

門間もまた,長年,その感覚や気配にある揺らぎや違和感をうまく言葉にできず、社会に届く形にもできませんでした。けれど、その違和感、揺らぎ、輪郭のない確かさのようなものを捨てずに、絵と言葉で見つめ続けた先に、「対話できる絵画」が生まれました。だから私は、言葉になる前の感覚や、判断になる前の違和感を大切にしています。

士業交流会で使用した短編映像です。
私は長年、「判断の前にあるもの」を絵画を通して見つめてきました。
この映像は、その一端をまとめたものです。

描くこと・観ること・考えることのあいだ

「対話できる絵画 byMommaYuka」(以下、対話できる絵画 byM)の制作も、こうした感覚の延長線上にあります。
このページでは、その感覚が今の制作へどうつながっているかをご紹介します。



判断の前に、すでに何かがある

結論になる前に、違和感、揺らぎ、輪郭のない確かさのようなものが、すでに立ち上がっていることがあります。
けれどもそれは、すぐには説明できません。

言葉にしようとすると逃げてしまう。

説明しようとすると、少し違うものになってしまう。

けれど、確かに何かがある。

門間は、そうした層を急いで言葉に表さず、
いったん見つめることを大切にしてきました。
対話できる絵画 byMもまた、そうした言葉になる前の感覚に触れながら形になっていくものです。



制作は、その層に触れる訓練でもあった

長い制作の前提には、身体感覚を通して形や関係を受け取る見方が、少しずつ育ってきた時間があります。
それは、理論を先に学んで身に付けたのではなく、門間が制作の中で少しずつ身体に蓄積してきた感覚です。

制作で言葉にならないものに長く触れてきた中で、門間は、言葉になる前の気配や、判断の前にある揺れを見つめる感覚を育ててきました。

現在の仕事の中で、この感覚は制作だけでなく、対話できる絵画 byMの現場にもつながっています。

人の中にある、まだ整理されていない根っこの層に触れながら描いていくことは、門間の制作の大切な特徴のひとつです。

言葉が揺れることも、制作の入り口です


「こういうテーマで依頼したい」と言ったそばから、言葉やイメージが揺れ動くことがあります。
けれども、門間由佳による「対話できる絵画」では、言葉が変化することを必ずしも悪いこととは捉えていません。

「最初に依頼した内容から変わってしまうかもしれない」

「こんなに定まらない状態で依頼してよいのだろうか」

「画家を困らせるのではないか」
そう感じる方もいるかもしれません。
けれど、言葉にうまくできないものやモヤモヤしたものを扱うとき、最初から定まらないのは自然なことです。
むしろ、その揺らぎの中にこそ大切なものが含まれていることがあります。

言葉が揺れ動くことは、未熟さや混乱ではなく、制作の入り口でもあります。

揺れの奥にある骨格を見つめる

ただし、それは「何でも無制限に変わってよい」という意味ではありません。
大切なのは、揺れ動きに流されずにその奥にある、もう少し深い骨格を見つめていくことです。

作品は、揺れる感情そのままを写しとるのではありません。
その時々の言葉や感情は変化しても、その奥に、何度も立ち上がってくる感覚や、繰り返し現れる主題のようなものがあります。

対話できる絵画 byMでは、そうした層に触れながら、時間をかけて、その人にとって大切なものを絵として定着させていきます。

言葉だけでは捉えきれないものを扱うために、絵がある。
依頼者にとって対話できる絵画 byMは、言語化しきれない層が、凝縮されて結晶となる芸術です。



未整理のまま扱う時間が必要なことがある

対話できる絵画 byMでの制作プロセスは、遠回りのようでいて、なぜ問いが生まれているのか、何が本当に大切なのかを見つけ直す土台になることがあります。

仕事でも人生でも、本当に大事なテーマほど、最初から整理された形では現れないことがあるからです。

最初に出てくる言葉は、仮の入口かもしれません。
最初に浮かんだイメージは、もっと深いものへ向かう手前の姿かもしれません。
だからこそ、判断の前にある感覚に少しとどまる時間が、大切な橋渡しになることがあります。

絵は、一回の意味で終わるものではない

対話できる絵画 byMでは、制作のプロセスそのものも大切にしています。

対話しながら、言葉になりきらないものに触れ、構想を深め、絵として定着させていく。
その時間は、単に作品を完成させるためだけのものではありません。
依頼される方にとって自分の中にある感覚やテーマに触れ直し,凝縮する経験になっていきます。

そして、絵の完成後には、画家の専門的な読み解きを通して、作品の中でどのように感覚や軸が芸術化されているのかを共有します。

ご自身の語りや感覚が一つに結晶化された芸術作品だからこそ、完成した作品は、飾って日々見続ける中で、自分の感覚や判断の軸に立ち返るきっかけとなります。


さらに,飾った後、日々の暮らしや仕事の中で、見え方が変わることがあります。
時間が経ってから、別の意味が立ち上がることがあります。
その時には気づかなかったものが、後からゆっくり見えてくることもあります。

対話できる絵画 byMは、一度に一つの答えを得るものではなく、時間をかけて深い関係を結ぶ存在です。

「今ここで完全に定めなければならない」ものではないからこそ、
長く意味を持ち続けることがあります。

神秘的に感じられることについて

なお、この制作についてお話しすると、
「神秘的ですね」
「見える人なのですか」
と聞かれることがあります。

そう受け取られることがあるのは事実ですが、門間自身はそれを特別な能力としてではなく、
長年の絵画制作の中で育ってきた感受性、観察,造形的応答として捉えています。

詳しくは、ページ末尾の関連Q&Aでご説明しています。


この感覚は、制作・対話・判断へつながっている

ここで触れたり味わったりするものは、抽象的な思想を含んでいます。
けれどもそれは、感覚から離れた思想ではなく、制作の現場、依頼者との対話、そして判断の前段階など、実践の中で働いている感覚の上に立ち上がってくるものです。

大切な判断ほど、最初は違和感や揺らぎ、言葉にならない気配として現れることがあります。
その感覚を「はっきりしないから」「言葉にならないから」などと切り捨てず、
急いで結論にするための言葉にせず、いったんそのまま見つめてみる。

門間は、長年の絵画制作と造形探究、制作実績、研究を背景に、対話・構想・本画制作・完成後の読み解きまでを一貫して担います。
そのプロセスを通して、言葉にできない感覚や判断の軸を、一点制作の絵画として凝縮していきます。

対話できる絵画 byMのプロセスは、こうして判断の手前にある層に触れながら進んでいきます。
その意味で、このページで扱っている「判断の前にある感覚」は、制作だけの話ではありません。

仕事や人生の中で、まだ言葉にならないもの、違和感やズレなどをどう受け取るのか、という問いにもつながっています。

依頼者が毎日眺める対話できる絵画 byMは、そうした深い層に触れながら結晶化する芸術です。

研究の視点からも見つめ直しています

近年門間は、この制作を研究の視点からも捉え直しています。
言葉にできる領域と言葉になりきらない領域をどのように見分けるのか。
対話の中で、どのように意味が立ち上がってくるのか。
絵が媒介になることで、人の言葉や感覚にどのような変化が起こるのか。

そうしたことを、制作の実感を軸にしながら研究の視点で考察しています。
詳しくは、研究LPや「制作を研究として扱っている理由」のページでご紹介しています。

関連ページ

はじめての方へ

対話できる絵画 byMとは何か

制作を研究として扱っている理由

よくあるご質問
(神秘的に見えると言われることについて)

判断の前にある感覚に、少し立ち止まってみたい方へ

言葉にならないけれど、何かがある。

まだ整理できないけれど、見過ごせない感覚がある。

今すぐ答えにはできないけれど、そこに大切なものが含まれている気がする。

対話できる絵画 byMでは、そうした感覚に触れながら、時間をかけて絵として定着させていきます。

判断の前にあるものを、急いで結論にせず、まずは見つめてみる。
そこから、あなたにとって大切な絵が始まることがあります。


対話できる絵画 byMommaYukaの中心を知りたい方へ

もやもやした判断前・言葉になる前の感覚についてご覧いただいた方で、対話できる絵画 byMそのものについて知りたい方は、こちらをご覧ください。

対話できる絵画 byMはこちら

深い位相から対話できる絵画に触れたい方

対話できる絵画 byMが、判断前・言葉になる前の感覚をどこまで深い位相から扱っているかを知りたい方は、こちらをご覧ください。

深層ビジョナリーを見る

ご相談前に気になることがある方へ

初めての方からよくいただく質問や、判断前・言葉になる前の感覚について知りたいことがある方は、Q&Aページもご覧いただけます。

Q&Aはこちら

今の自分に合うか相談したい方へ

ご相談やご質問がある方は、お問い合わせフォームからご連絡ください。

お問い合わせはこちら


全体像から知りたい方へ

このページでは、門間由佳による「対話できる絵画」が、制作や対話であるとともに、仕事や人生の判断へ向かう手前にある大切な橋渡しとして、深い層に触れながら形になっていくことをご紹介しました。
制作の土台、回復と循環、ビジネスとの関係性、研究とのつながりまで含めて見たい方は、全体案内ページもご覧ください。

全体案内ページ|仕事全体のご案内を見る


別の入口から知りたい方へ


・対話できる絵画 byMが、仕事や判断に問いを投げるのはなぜか知りたい方は、ビジネスとのつながりページへ

回復と生成の循環を知りたい方は、強さを与える癒しのページへ

・門間の画家としての制作から知りたい方は、画家の説明ページへ

制作と研究のつながりから知りたい方は、研究/思想接続ページへ