私は,
このオーダー絵画の制作プロセスを
大学において研究対象として扱っています。

ただし,
ここで行っている研究は,
対話や制作手順や技法の再現性を示すためのものではありません。
この中心にあるのは
言語化や手順化が困難な人間の判断です。
何を対話するか。
何を止めるか。
何を話さないか。
どの色を置くか。
どこで止めるか。
何を描かないか。
それらはすべて,
その場で生まれる関係性と文脈の中で行われる
総合的な判断であり,
事後的に説明することを前提としていません。
研究として扱っているのは,
判断そのものではなく,
判断が作用した結果として,
依頼者側にどのような変化が生じているか,
という点です。
制作前後の対話データや記述をもとに,
共感や自己理解に関わる指標の変化が
観察されています。
数値や結果は,
制作の価値を証明するためではありません。
私自身は,
この制作を「誰にでも再現できる方法」
として成立させる意図を持っていません。
むしろ,
再現できない判断が確かに存在し,
それが人に作用しているという事実を,
過不足なく扱うための枠組みとして
研究という形を選んでいます。
なぜ説明しないのか。
なぜ方法を示さないのか。
それらは,
説明した瞬間に失われてしまう性質のものを,
そのまま扱うためです。
このページは理解を促すためのものではありません。
この制作が研究として扱われている理由を,
確認したい方のためにあります。
この研究は, 説明できない判断を,説明しないまま扱うためのものなのです。
▷理念:AI時代の判断者のための〈造形的思考力〉
▷Profile:自ずと変わる力を絵画から
▷作品/活動:「気づいたら変わっていた」の設計
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