『優剛(ゆうごう)の美』|風水などを使わないで客観的に自分を見てほしいフラワーデザイナーの絵

/ カテゴリー: 癒しの絵, 人生の流れにのる絵, , 寝室に飾る絵

51899558_2474646945927065_4702221287622180864_n

 

「風水で見てもらって絵を描いてもらう、という話を聞いたことがありました。でも、やりたいとは思いませんでした。だって、風水でみると誰かとどこかで被るでしょう?私は何かを手がかりにして自分をみてもらってもおもしろくないのです」とMさんがいいました。

確かに、風水は、何千年もの年月を重ねてきた智慧です。古代から伝えられてきました。「風水の起源や源流は、紀元前十世紀以前の殷・周時代の「卜宅(ぼくたく)」にある。卜宅は、占いによって宅地や集落の吉凶を判断する方法。(『中国四千年の知恵を探る 図説 風水学』目崎茂和著)といわれています。

その後、紀元後三世紀の郭璞(かくはく276〜324)によって伝えられた『葬書』には、後に風水の用語になるものも出てきます。その後、さまざまに発展して、今に至ります。日本で風水と言えば、九星気学や家相の考え方をベースとしたものが主流ですが、それとはまた異なる見方をする中国の伝統的な風水もあります。

「<私を見て話して感じたこと描いてくれる人>なら描いてほしい、と思っていました。だって、それならば、絶対に誰とも被らないから」と、Mさんは笑顔で続けました。50代半ばで専業主婦からフラワーデザイナーに転身。ヨーロピアンで華やかな創作を得意なのが伝わってくるような、華のある空気をまとった人。

「そうですね、私は一対一、人と人との関係の中でしか生まれてこないものをベースにします。」と答えると、満足そうにうなずいて「他の誰かと被るようなのは、自分を本当に知ることにはならないと思うのです」と実を乗り出して続けました。フラワーデザイナーとして自分だけのアレジメントを追求したい、気持ちがひしひしと伝わってきました。

自分だけのものを追求するには、知性と感性が必要です。Mさんは、世界的な権威に師事して知識を身につけていました。それを元に、自分だけの感性を働かせようとしてきました。実は、感性は誰でも磨くことができるのですが、コツがあります。一つは想像すること。イメージです。学術的にいうと、感覚や感情を伴う経験を基に推論することです。

感性を磨くことは、AIが生活に入り込んできた今、企業や学術で盛んに取り上げられています。

オーダーは、一対一の関係をベースにするので、想像力のキャッチボールともいうことができます。そこで生まれてくる絵は、その方から直にイメージしたものが出発点です。そのイメージを、色や形に置き換えていきます。

Mさんの作品は、下半分で、家族とともに在ることを表しました。下から上に向かって、過去から現在を表しました。人生の土台も表します。一方、上半分は現在から未来。情熱をもって未来に羽ばたいていく様を表しています。黄色は希望、ピンクは愛、情熱。

こうやって言葉にすると単純ですが、実際には、色の重なりや、こまかな揺れ動きなどがあります。だからイメージを受け取る時は、言葉にならない部分から自然に想像力がはたらきます。

そして、一対一の関係だけで生まれてくる絵は誰とも被らないので、自分だけのオリジナリティを受け取ります。「客観的に見て、自分にはこんなにたくさんの独創性があるのだ」と感じる時。それは、自分自身の存在への信念、信頼へとつながります。探し出そうとアンテナを立ててみれば、誰にでもその人だけのよさが必ずあるものなのです。

Mさんには、セッションを重ねる中で、優しさと強さが溶け合った独特の魅力を感じました。だから、作品を『優剛(ゆうごう)の美』と名付けました。「私の知らなかった私、今の自分でもたくさんの可能性があること、気づかせていただきありがとうございます!」Mさんは、華やかな満面の笑みを浮かべました。

その後、Mさんから、嬉しい連絡が届きました。「母の日フラワーフォトコンテストにて、ベストフラワーアレンジメント賞を受賞しました。さらに、会場となったデパートで、来場者の投票1位にもなりました!」

世界的なフラワーアーティストに師事して、さらに表現力を磨きながら、独自にデザインするフラワーギフト・フラワーインテリアの創作に取り組んできた成果が実を結んだのでした。

51899558_2474646945927065_4702221287622180864_n
題名:優剛の美

関連記事